仕事を続けながら良い母でもありたい。それは多くの女性が望むことだと思います。そんな中で協力的でない夫にはどうやって対応すればよいのでしょうか?


働く女性、特に結婚して、子どものいる女性にとって、仕事と家庭のバランスを取ることこそが最も悩ましい問題だと気づきました。私もよく聞かれることですが、この問題を解決するには、一つ大事なポイントがあります。それは「旦那の性格」なのです。

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旦那があなたのキャリアアップを応援しない、または亭主関白で、女性は家庭の面倒をしっかり見ればそれでいいと思っているような人だったら、残念ですが、おそらくあなたが優秀なキャリアウーマンを目指そうとしても無理があるしょう。なぜなら、あなたはほかの女性よりも多くの葛藤や矛盾と戦うことになるからです。こういう心の綱引きが、仕事での活躍を妨げます。成果を出せば出すほど、心の葛藤が多く生じてしまうのです。

未婚女性には、「結婚相手を慎重に選んでください。特に働くことが好きで、仕事で才能を存分に発揮したい女性は、応援してくれる相手と結婚してください」といつも伝えています。

すると、このような質問が聞かれます。「結婚後も仕事を応援してくれるかはどうやって分かるのでしょうか?口ではいつも『大丈夫だよ』と言っていますから。」だったら結婚する前にしっかり試してみてください。一度だけでもいいですが、残業を口実にデートをドタキャンして、彼の反応を見てみるといいかもしれません。夜に残業して仕事と戦うあなたを受け入れてくれるでしょうか。それとも定時で上がり、彼の相手をしたり家に帰ったりできるのかを気にするでしょうか。

これはとても大事なポイントです。パフォーマンスの良し悪しはどうであれ、女にとって仕事はあくまでも人生の副菜のようなものだから、深入りしてはいけないと思っている男性もいます。彼らからしてみれば、自分は接待や残業で帰りが遅くなってもいいですが、あなたはダメです。家庭を最優先にして、仕事を二の次にすることは女性の役目だと考えている男性にとって、仕事に力を入れすぎる女性は、良妻でもなく賢母でもないのです。

ここまで読んで、職場で思う存分働きたい既婚女性は「もう手遅れだ。どうしよう?」と思うかもしれません。あなたができる唯一のことは、夫としっかり話し合うことです。夫の意識を正したり、態度を軟化させたり、道理を説いて納得させたりして、支持を得ます。家庭と仕事という二足のわらじを履くことはとても大変で、仕事でどんなに成功しても夫から賞賛や応援を得られなかったら、精神的な苦しみが肉体的な疲れよりも大きな負担になります。ましてや仕事を楽しむなんて出来そうもないです。私はこれまで、様々な職場で優秀な女性をたくさん見てきました。夫よりも役職・年収や社会的地位が高くなったら、夫に不快な思いをさせるのではと心配して、自ら出世を辞退し、キャリアアップに消極的になった人もいれば、自責の念に苛まれ、家庭にかける時間を確保できる自信がないため、好きな仕事を諦めた人もいます。

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夫のプライドや夫に言われた一言を気にして、仕事を辞めて家庭に入ったり転職したりしても、結局「自分は家族の犠牲になった」と思って意気消沈したら、家庭も明るくならないでしょう。ひたすら妥協や譲歩、相手に合わせることは、解決策になりません。むしろ夫婦で素直に話し合い、お互いが納得できる折り合いをつけて、ともに家庭責任を担っていくことが得策なのでしょう。

好きな仕事を諦めることが自分の選んだ道であれば、自分を犠牲にしたと捉えないでほしいです。そうしないと、自分を苦しめることになってしまいます。女性はしっかり考えておかなければなりません。

仕事をやめ、子育てに専念することはあくまでも当面を凌ぐ苦肉の策で、将来はいずれ職場に復帰したいと考えているなら、常に学び、成長し続けることが大切です。家にいる時間が長くても、世の中の動きを知らなくてはいけません。eラーニングやオンライン講座を使って知識やスキルを磨くことだってできます。また、働き方が多様化している今、在宅勤務の仕事を探そうと思えば全くないという訳ではありません。自分の成長を諦めたくないなら、パートでキャリアを繋げていくのも、いい方法かもしれません。そうすると、仕事に復帰できる可能性が高まります。

インターネットではこういうジョークが流れていました。クリントン大統領夫妻が、ドライブの際にたまたま立ち寄ったガソリンスタンドのオーナーがヒラリーの高校の同級生でした。クリントン大統領が「ヒラリー、僕と結婚してよかったね。もし彼と結婚していれば、今頃君は田舎のガソリンスタンドのおカミさんだ。」と得意げに言ったら、これを聞いたヒラリーは「もし私が彼と結婚していたら、彼がアメリカ合衆国の大統領になっていたわ。」と切り返しました。このジョークは自信と知恵を兼ね備えた女性像が表現されているので、私は大好きです。特にヒラリーのこの一言が気に入りました。台湾の女性もこのような自信と貫禄をパートナーに見せられることを、私は願っています。

女性は仕事が好きでも、自責の念や申し訳ない気持ちを抱く必要はありません。仕事が大好きな彼女や妻に、男性はプレッシャーをかけるべきではありません。私は心底からそう思っています。