負け犬と思われる前に早く結婚しなきゃと思ったことはありますか?からかわれないようにと、自分を失い、夢と幸せを犠牲にしてしまっていませんか?


人は30歳になると、人生の次の一歩の方向性について改めて考えはじめます。多くの人は、がむしゃらに夢を追いかけていたのが、地に足をつけるようになります。また、積極的に目標を立てていたのが、自分の過去を振り返るようになったり、あちこちで友達を作っていたのが、パートナー探しをはじめたりします。30年で私たちは大きく変化し、親から渡された命の使命や感慨を抱きはじめるのです。

一方で、30歳を迎えると、多くの人々があなたの人生に介入しようともしてきます。

そんな人たちは、独身男性に対しては「30歳はまさに黄金期。焦らないで!40歳で結婚しても遅くはない!」と言うのに、独身女性にはこう言うのです。「早いところ適当な人を見つけて嫁ぎなさい!行き遅れたら遺伝子疾患を持つ子どもが生まれるリスクが高くなるし、また何年か経つと、もっと結婚しにくくなるよ!」

30歳を過ぎた女性の価値を本質的に考えている人は多くありません。仕事で成功しなくてもいいし、夢も追わなくていい。旧来の価値観では、女性は最終的に良い旦那に嫁げばそれでよく、女性の幸せは夫の成功のみで測られてきました。

しかもこの不公平な観点は、いまだ多くの女性に根強く支持されています。そんな女性はすべてのエネルギーを毎回の恋愛に注ぎ、最後には深い傷を負います。当然、男性はこういった行いを喜んで受け入れます。そうして彼らは自らの条件に誇大な自信を持つようになり、自分なら選り取りみどりであるとまで思うのです。

しかし、こうして人に操られる人生は、本当にあなたが30歳手前で希求する人生のあり方なのでしょうか?

30歳は人生を飛躍させるための黄金期です。性別に限らず、この年で努力して目標を達成することができれば、まちがいなく人生の後半における頑丈な基礎となります。この年齢で夢のためにすべきは、エネルギーと時間を注いで段階的に目標を達成していくことです。結婚は決して夢の墓場というわけではなく、肩にのしかかる責任のひとつなのです。

この責任があると身勝手なことはできなくなります。特に女性は、仕事と家庭を両立させなければならないし、時には子どもを教育する責任をも一人で背負う必要があります。これが女性が偉大だといわれるゆえんで、時には男性の無責任に起因し、多くの場合は旧来の価値観を不当に押しつけられた結果です。

社会の女性への要求が、いまだこのように不公平なものでも、夢を持つあなたは、この時代では選択する権利と能力が必ずあります。30歳は結婚のハードルでは決してなく、反対に、自分の人生に責任を持つキーポイントなのです。30歳で結婚していない女性は、負け犬などでは決してなく、能力があるうえ自らの考えや目標を持っており、社会の流れに果敢に対抗できる、自分の人生に絶対的な責任を持っている勇者なのです。

私は、あえて結婚しない選択をすすめているのではなく、結婚相手を見つけることを人生の目標にはしないでほしいと思っているのです。あなたの人生の目標は、自分の力で努力して精神的にも経済的にも自立し、もっと綺麗になり、夢を叶えることであるべきです。そうなると、理想の相手が見つかるかどうかは、それほど重要ではなくなるでしょう。

私の他の文章でも取り上げているように、自分の生活に集中することでのみ、性格が大人で、なおかつあなたを愛してくれる人に出会えるのです。そんな彼ならあなたの生活を尊重できるだけでなく、生活上の難題をよろこんで分担してくれ、あなたに安心して夢を追わせてくれます。焦って結婚しようとしていい加減に相手を選び、頼ろうとはしないでください。そんな相手は、あなたの人生設計を台無しにする可能性が高いです。そんな相手との結婚を手に入れることで、自分らしい生活を手放しかねません。

他人の人生の責任をとることは誰にもできません。男性は女性の人生に責任をとることができないし、親も子どもの人生に責任をとれません。自分を大切にし、自分の人生に責任をもてるようになる前に見つかるのは、愛欲と、他人の期待に応えたいという感情のもとに関係を築いた相手でしかありません。

大人の男性は、女性を尊重するということを、大人の女性は、自分を尊重するということをわかっています。これさえ心得ておけば、あなたが30歳でも、40歳、50歳であっても、一枚の婚姻届のあるなしで苦しむ必要はないのです。